スーパーサーキット~卓球界に夢を見せてくれた日本の賞金付きトーナメント~

こんにちは。卓音です!

今日は2002年に華々しく開幕し、2006年に惜しまれつつ終了したかつて日本で行われていた賞金付きトーナメント「スーパーサーキット」について紹介したいと思います。

当時日本リーグに加盟していた京都の呉服メーカー、健勝苑がスポンサーとなり発足。
優勝者の賞金は実に1億円という破格の大会でした。

構想は99年に既にあり、スーパーサーキットの原案を日本卓球協会に出していたそうですが、
「プロ化の推進は協会主導で進めるべき」とのスタンスから難色を示したそうでした。

Tリーグもそうでしたが、これまでなかった新しいものを拒むといいますか、
既存の物をどう守って行くのかという視点の人ばかりなので、一向に進まないんですよね。

既存のものにすがるのではなく、新しいものを作っていかなければどんな業界も廃れていくのは目に見えています。

そして協会からの協力を得られないので、なんと日本リーグを脱退して2000年からスーパーサーキットを開始。
あくまで名目は社内大会にゲストとして海外選手を招聘というスタイルに。
なんとも異様な社内大会(ーー;)

そんなこんなで何とか協会と折り合いを付け、2002年からようやく協会との共催としてスタートしました。
スカパーでのテレビ放送も行われるようになり、多くの人がスーパーサーキットを知ったのもこのタイミング。

参加していた面々は今見ても異様なほど豪華。

・パーソン 91年世界チャンピオン
・ガシアン 93年世界チャンピオン
・プリモラッツ 95年世界選手権ダブルス2位
・金擇洙 99年アジア競技大会優勝
・松下浩二 97年世界選手権男子ダブルス3位
・サムソノフ 97年世界選手権2位
セイブ 93年世界選手権2位
・蒋澎龍 01年世界選手権3位
・劉国梁 96年オリンピック優勝
・ロスコフ 89年世界選手権ダブルス優勝
・コルベル チキータの生みの親
・偉関 88年オリンピックダブルス優勝
・王励勤 01,05,07世界チャンピオン

などなど。こんな面々の試合が目の前で見れるのは、まさにスーパーサーキットだけでした。

また、02年9月から長年有効であったサーブの際にフリーハンドで隠すのが禁止されるのに先立ち、
6月のスーパーサーキットから試験的に新ルール導入なども行っていたようで、選手にとっては色んな意味で鍛錬の場となっていました。

ここで卓音が大ファンである伊藤条太さんの健勝苑の社長の湯川さんへ宛てた手紙を紹介します。

まず冒頭の文章を。

私は常々、この卓球というスポーツに、それにふさわしいステイタスが与えられていない現状に強い不満を感じており、卓球を真のメジャースポーツにするためには、キング・オブ・スポーツとするためにはどうしたらよいのかを、日本卓球協会や、卓球雑誌、ITTFになどに訴えかけております。
 湯川さんの卓球に対する無償と思える奉仕活動については以前から存じておりましたが、卓球王国11月号に掲載されていた「SCスーパーサーキット」の構想を見て、そのスケールの大きさに興奮を抑えきれず、私の考えをどうしてもお伝えしたく、お手紙を差し上げた次第です。

スーパーサーキットにいたく感銘を受け手紙を送ったことが読み取れます。

私がこれまで各方面に訴えかけてきたことを要約すれば、現代において卓球がメジャースポーツとなるためには、卓球を観せるスポーツに改革することがもっとも効率のよい方法だということです。添付資料にあるように、卓球がもっとも劣っているのがこの点であり、参加するスポーツとしてはもともと十分な魅力が備わっていると思うからです。
具体的には、観客動員ができる大会演出、料理の鉄人や格闘技にみるようなテレビ企画、これまでにないエンターテイメントとしての卓球ビデオ制作などを通して、卓球を観せる技術、観る文化を創出すべきだというのが私の考えです。

全日本選手権での演出など、ここ数年でまさしく卓球は観せるスポーツへと変わってきてますよね。ここまで来るのにどれだけの年月を要したか。

このようなメジャー化の戦略を考えていた私にとって、湯川さんの、力づくでプロを作るという方法は驚くべきものでした。「どこかに卓球の好きなスポンサーがいて、金をかければ・・」という方法論は、これまでは、あり得ない架空の話として虚しく論じられるのみでした。また、仮にそのようなスポンサーが登場したとしても、卓球そのものが観せる品質を備えていなければ、気まぐれなスポンサーの投資も一時的なものに終わります。正直いって、湯川さんの活動にも当初同様の懸念を抱いていました。
 しかし、湯川さんが本当に本気で、卓球の観せ方まで根こそぎ改革をなさろうとしていることを知り、日本卓球界の歴史に残る大改革が今まさに行われようとしていることに、今さらながら気がつきました。そして日本卓球界は、このチャンスを絶対に逃してはならないと思うようになりました。
 と同時に、湯川さんがそこまでの改革をお考えなら、プロ興業のみならず、上に挙げましたようなテレビ放送の改革、ビデオ制作のアプローチをぜひともお願いしたいのです。
これらを並行して改革することによって、プロ化の成功の可能性がより高くなると思うからです。

訴えの甲斐あってか、先に述べたように02年からスカパーでの放送が始まります。

先のシドニーオリンピックのNHK衛星放送は、これまでの卓球のテレビ放送ではベストのものでした。台の脚を覆った未来的なフォルム、白いボールが見やすい濃赤のフロアに深青のコート、フェンスの文字もきちんと暗い色で書かれていましたし、選手も可能なかぎり大きく映されていました。しかしカメラ位置とアングル、打球音声に工夫の余地があると思います。孔令輝とワルドナーの芸術を表現するにはまだ足りないと思います。

話はシドニーオリンピックの映像へ。私も同意見で、シドニーの映像はアングルが上すぎるわけでもなく、またローアングルでもないなんとも微妙なアングルなのです。
やはり卓球の映像美としてのベストは、80年代後半~90年代のリフレックススポーツのカメラアングルが間違いなくベストなのです。
このアングルが世界標準にならないのは、卓球界の損失だと常々思っています。

そして、話は具体的な提案へ。

SCスーパーサーキットを成功させるにあたり、観せる卓球のアイディアとして、以下にいくつか挙げさせていただきます。
・回転を減じることなく回転の読み違いによる観客にとってわかりにくいミスを減らすため、ボールに模様を付ける
・実力本位によるフェアネスよりもエンターテイメントを重視し、ときには見て面白い選手の組み合わせの試合を意図的に組み、大衆にアピールする。印象の悪い選手の一方的な内容の決勝戦より、最高レベルではなくとも面白い試合を重視すべき。
・ネットを5cmほど上げ、台から離れる選手に有利バランスをシフトさせる。今のように台に密着する選手ばかりではピッチが速すぎて観客が感情移入する余裕がない。
・一般性にかける卓球のユニフォームを必ずしも用いず、とにかく卓球がカッコイイものだという演出をする。91年頃に日本卓球協会が行った「ザ・卓球」のイメージ。
・打球音にデジタルエフェクトをかけ、SF映画の銃撃戦のような音にして会場あるいはテレビ放送で使用する
以上の改革は、卓球協会などとの関係上難しい面があると思います。しかし「卓球」ではなく、あくまで興業用の「スーパーテーブルボール」とでもいった呼称を用いてやる分には、干渉を避けることができるのではないかと思います(荻村伊智朗さんが言っていたように、卓球はテニスのミニチュアではないという意思表示を兼ねています)。「スーパーテーブルボール」が成功を収めた暁に、本来の卓球の方からゆるやかに歩み寄ってくることを期待するというのはいかがでしょう。

①~④に関しては理解できますが、最後の効果音はどうなんでしょうか(笑)
打球音に銃撃戦のエフェクトをかけたら、テレビから「バキューン!バキューン!」という音が絶えまなく流れ、
親は完全に子供が西部劇でも見だしたと思うでしょう(笑)

ということで、条太さん始め数多くの卓球ファンの夢と希望を乗せ始まりましたが、
本業の不調に、破格の賞金という様々な要因が原因となり、惜しまれつつ06年に終了しました。

そして、今年いよいよこのスーパーサーキット以来の真近でトップ選手を見れる、卓球プロリーグ「Tリーグ」が発足するのです。
リーグのシステムや構造からみてもスーパーサーキットとは全く異なるもので、ブンデスリーガ的なモデルであるTリーグの方が明らかに長期的な発展が望めます。

ますます発展していく日本の卓球界、今後がますます楽しみでなりません。
最後に、卓音が中学生時代何度も繰り返し見たスーパーサーキットのCMをアップしましたので、ぜひ視聴ください(^^)

ちなみにこの謎のテーマソングについては、過去に調べた限りでは以下のようになっています。
・singman という、おそらくスタジオミュージシャンが作った歌。
・タイトルは「1,000,000$の舞台」。
・当時、試合会場で販売されていた。

もしCD持ってる方がいましたらすぐさま卓音へご連絡ください(笑)
以上、スーパーサーキットのまとめでした!

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卓球をこよなく愛する20代男。卓球動画視聴マニアでこれまでに数百本の動画を視聴し、ヨーロッパ卓球が大好き。13年のキャリアを持つandroヘビーユーザーでもある。記事更新情報などをお届けするので、ツイッターフォロー・Youtubeチャンネル登録いただけると嬉しいです!

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コメント

  1. ヤナギ より:

    お初にお目にかかります、昔卓球をやっていたものです。少し前の記事になりますが、スーパーサーキットの記事を読ませて頂きました。僕もスーパーサーキットが大好きで、ペンドラだった事もあり金擇洙選手の大ファンになりました。

    記事内にあります「1,000,000$の舞台」のCDですが、昔学校に来ていた卓球用品店の方に取り寄せをお願いして金擇洙Tシャツと一緒に購入しました。残念ながら原盤は引っ越しの際に行方不明になってしまいましたが、CD-Rに(曲名がわからないカップリング曲と一緒に)データが残っていて久しぶりに聞いていたら懐かしくなり、スーパーサーキットで検索をかけたらこの記事に巡り合うことができました。原盤が残っていたら良かったのですが…

    なかなかこの曲について語れる機会がなかったため、つい嬉しくて長文になってしまい失礼しました。これからも卓球情報の配信、頑張ってください。

    • 卓音 より:

      ヤナギ さん

      コメントありがとうございます。
      最近は本業で忙しく中々更新できてないですが、記事を読んでいただき大変ありがたいです。

      まさか原版を持っていた方からコメントいただけるとは思ってなかったので非常に嬉しいです!

      データ、お持ちなんですか!?
      ぜひぜひ可能であればデータだけでもいただけたら嬉しいのですが、
      お願いできたりしますかね(ーー;)?